カブクワのみならず、生き物を飼う人が避けられない問題がある。

それは、飼っていた生き物が死んでしまう、ということ。

命あるもの必ず終わりがある。

そうでなければ、地球上はとっくに生き物で溢れかえり飽和状態になっているだろう。

そうならないのは、生き物が死という運命をすべからく持っているからだ。

と、いうのは本題では無く。問題なのは死んでしまった後、死骸をどうするか、だ

犬猫のような動物は葬儀をやってくれるところもあるらしいが、虫はどうだろう。

子供時代は実家に庭があったため、そこに埋めて自然に還す、ということができたが、今はアパートで一人暮らし。

家があっても埋められる庭が無い、ということも今は珍しくないだろう。

それならば、どうするか。

2つしか選択肢は無い。

1つは、可燃ゴミとして捨てること。

虫は普通に燃えるから、これ自体には何の問題も無いが、大切に飼ってきた虫をゴミとして捨てられるほどドライに生きてるかといえば全くそんなことは無い。

それじゃあもう1つは?

そう、標本にしてやることだ。

昆虫ショップ等では死んでしまった虫を預かり、標本にしてくれるところもあるが、私は、自分で作ることを選んだ。

単純にお金がかかるのと、自分の手で標本にしてやりたい、という気持ちからだ。

死んでしまった虫は一旦、冷凍庫に入れておく

こうすることで腐敗が進むのを止めるのだ。

そして、標本を作ろう、という気持ちになったら、熱湯でふやかし、展足をする。

この、展足作業が時間がかかる。

平均して1時間ほどかかってしまうので、ちょっと気合が必要だ。

展足には専用の標本針を使っている。針の打ち方にはこれという決まりが無い。

ちゃんと整いさえすれば良いのだ。

ビフォーアフターがこちら。

れが、

こう(脱落した跗節を取っておいて接着している)。

これが

こう。

死んでしまった虫は脚が縮こまっている場合が多いので、展足作業で整えてやるのがメイン。

加えてクワガタは大アゴを閉じてしまうことが多いので、それも開いてやると見栄えが良い。

時にはこんな状態のも……。

修復すれば、この通り。

さて、ここでタイトル回収だが、標本作りにはどんな意義があるのだろうか。

研究施設では学術的な利用があるだろうが、個人で作るものにそんなことは考えないだろう。

1つは、飼っていた虫の姿を半永久的に残しておくこと。

そしてもう1つ。

それは、もう一度人に見てもらえるようにすること。

死んでしまった虫は、そのままならただの死骸だ。

そして、死骸をずっと見ていたい、という人は少ないだろう。

しかし、それを標本という形にしてやることで、また見ていることができるようになる。

それこそが、標本作りの意義なのではないか、と私は考えている。

そしてそれを、自分の手でやれている、というのは、何だか新たな生命を吹き込んでいるような、そんな気持ちになれる。

まあ、始めるまでに時間がかかるのだけど。

 

いかがだっただろうか。

標本作りもカブクワ飼育の1段階、ということで記事にしてみた。

これから、死んでしまう個体もそれなりに出てきそうな時期。

早く標本作りを進めて、飽和状態にならないようにしなければ

 

それでは、今日はこのへんで。

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