5月21日の日曜日、突然、大洗ホテルから麻子さんのパネルを撤去（商工会へ返却）するということが、同ホテルのホテルマンのツイッタ―アカウント「大洗のシマちゃん」（以下、シマ氏）より報告された。

この一件は、少なくともツイッタ―上の大洗ファンの間で瞬く間に話題となり、そしてトレンドに関連ワードが上がり続ける事態となった。

そして私もまた、この一件に対して心穏やかではいられなくなった一人である。

しかしそれは、麻子さんのパネルが撤去されるということよりも、大洗とガルパンファンとの関わり方が悪い意味で変わってきてしまっているのではないか、という不安によるものが大きい。

私はまだガルパン歴4年半ほどの、ガルパンファンとしては中堅くらいの年数である。

何を偉そうに、と思う人もいるだろう。

しかしながら、大洗に近い水戸に住んでいるということもあり、短い年数でもそれなりの回数、大洗に通うことができている。

それだけ大洗に近いということもあり、自身も含め、ガルパンファンと大洗との関わり方については、常々注意し、考えて行かねばならないと思っている。

今回の記事は、シマ氏他、今回の一件で見られたツイッタ―上の様々な反応などを踏まえ、私が改めて考えた、大洗とガルパンファンのありかたについて私見を述べるものである。

それ故、これを読んでくださっている方の考え方とは異なる考えが表明されている可能性も十分にある。

自分と異なる考え方に対して拒否反応を示し、攻撃的になるような人は、ここでこのページを閉じることをお勧めする。

ツイートではなく、ブログにしたのも、読みたくない人の目に触れないようにするためだ。

私の考え方もまた、一つの考え方である、と呑み込める人であれば、この先も読んでいただけると幸いである。

ちなみに、いろいろ思う人はいるだろうが、表現の仕方が難しいこともあり、問題を起こしてしまった方々などについても、一律に「（ガルパン）ファン」という表現を用いていることはご容赦いただきたい。

騒動の流れ

主にシマ氏のツイートから、今回の騒動の流れを以下にまとめる。ただし、氏のツイートをもとにした私の推測による捕捉をする場合は（　）にて捕捉する。

バンダイの杉山プロデューサーが退かれたことや、最新作がなかなか展開しないこと、（また、コロナ禍でイベントもできないこと）などからシマ氏も若干鬱憤を溜めていた→（先のことについての不満の）膿を出すことも含め、麻子の誕生会を今後やることはないという旨のツイートをシマ氏がする→一人のフォロワーより、その前後の発言も含め、そのように考えているならパネルを商工会に返却してはどうか、という旨の返信がある→シマ氏はそれに対してパネルを返却する旨返信する→また別のフォロワーより、脳腫瘍だろ、MRI取れよ、という旨の返信がある→（シマ氏の心が完全に折れ、パネルの返却が確定的になる）→ツイッタ―上で騒ぎになる→件の二人よりシマ氏に対して謝罪があり、シマ氏もそれを受け入れる→ただし、パネルの返却の撤回せず、商工会とも今後について話し合っている

私が騒動を追っていたところだと、このような流れだろうか。

今後の処遇について

ツイッタ―上の反応を見ていると、麻子のパネルをもう見られなくなる、と思い込んでいる人が一定数存在するように思われた。

しかしながら、シマ氏が商工会に少しでも早く他の店舗に設置できないか等を掛け合っているらしいこと、そして今までも閉店等で一時的に商工会に返却されたパネルがしばらく後に他の店舗に改めて設置されていることなどからも、どこかのタイミングで麻子さんのパネルが新しい設置店舗に登場する可能性は高いだろう。

尚、パネルに関しては、シマ氏が今後は商工会の一存による、という旨のツイートをしているので、ほぼ引継ぎが完了しているものと思われる。

また、売店のガルパンコーナーも撤去することが決まっている。

ファンからの贈り物に関しては、連絡くださいとのこと。

色紙などはガルパンギャラリーとも相談するとのことで、決定まで少しの間、展示を続けるもよう。

ガルパンコーナーは撤去されるが、ガルパングッズは販売されるのではないかと考えられる（今後は物販に変更する予定です、とのシマ氏のツイートより）。

スタンプラリーに関しては、シマ氏の管轄外のようで、引き続き設置されるとのこと。

大洗との関わり方について　そして問題提起

ここからは私見を多分に含むので、そのつもりで読んでいただきたい。

私は、大洗に対するガルパンファンの姿勢は「受容」であるべきと考えているし、自分もそうあろうと努めているつもりである。

ガルパンパネルの設置店は数多いが、どのように関わっていくかは各店舗の自由意思によるところが大きいと思う。

オリジナルグッズを作成して発売する店舗もあれば、キャラクターの誕生日に合わせてクリアファイルなどを販売する店舗、ほとんどパネルを設置しているだけという店舗もある。

そして我々ガルパンファンは、そこにあるものを楽しむ以外には無い。

無い物ねだりをして、パネルを設置している店舗に負担をかけるようなファンが多かったならば、これだけの長いあいだ、パネルが設置され続け、歓迎されるような状況にはならなかっただろう、というのが私の考えだ。

実際、ガルパンには多くのキャラクターが登場し、それだけ様々なキャラクターを推しているファンが訪れることになるわけだが、イベントやグッズの有無をめぐって大きなトラブルに発展したことは無かったのではないだろうか。私の知らない初期の頃には、もしかしたらあったのかもしれないが。

そして、大洗町の人びとは、ガルパンファンを歓迎して迎え入れている、という証言も少なからず目にしていることから、町とファンの関係は良好だったわけだ。

しかし、今回の一件は「受容」とはまるで逆の反応を一部の（というか二人の）ファンがしてしまった。もっとも、これが初めてではなく、昨年もとあるキャラクターの誕生日に際し、特に何もせず、平常営業の店舗に対して一部のファンが何らかの攻撃をしたらしい、という証言も、調べていくなかで出てきている。

目立つところでたった二件、しかし、少なくとも私が見てきた4年間で発生しなかったことが、半年で2回も発生してしまった。

何が変わってしまったのだろう。

もともと、そういう性質の人が、たまたま今までは大人しくしていただけなのかもしれないし、ガルパン放送から10年という歳月が人を変えてしまったのかもしれない。

それは私には分からぬ。

しかし、自分を顧みて、自分の態度を改めて引き締めることはできる。

それが自分にできる精いっぱいというものだろう。

もう一つ、様々な反応を見ていて気になってしまったことがある。

それは、ガルパンファンは「お客さん」ではなく町と一緒につくりあげていく存在なのだ、という旨の発言が見られたこと。

決して多かったわけではないが、どうしても違和感のある考え方。

私たちはどうしたって「お客さん」だ、と私は考えている。

自分たちでイベントを企画したり、グッズを作ったりしているわけではない以上、商工会や各店舗が催してくれたり販売してくれたりしているものを楽しみに訪れる「お客さん」だ。

勘違いしてはならぬのは、客だからと言って何をしても良いわけではないし、無理な要求をしても良いわけではない、ということ。

レストランでメニューにない品を要求して断られて、それならお店を畳んだらどうです、などと言ったら立派なクレーマーである。

それに、ドレスコードがあるレストランなどを想像してみるといい。お客であっても、周囲の人に配慮したり、雰囲気を維持したりすることが求められる場面は普通にあるのだ。

大洗とてそれは同じこと。

今までのファン（これもまたお客である）が積み上げてきた信頼を、これからのファン（これもまたお客）は維持するよう努めねばならぬ。それは、大洗町に足を踏み入れるガルパンファンのドレスコードと言ってもいいだろう。

それでも、自分はやはり、町の人たちと一緒に大洗・ガルパンを作っているからお客さんというのは心外だ、という人もいるだろう。

そういう人は、余計なお世話かもしれないが、増長して、各店舗にあれやこれやと注文をつけるような人にはならぬように、くれぐれも気を付けてもらいたい。あくまで、ひっそりとお手伝いをしているというスタンスで。

これ以上、ファンとのいざこざでパネルを撤去する、というお店が出るのは悲しいからだ。

もう少し、今回の騒動について

今回の一件、結局何が悪かったのだろうか。

最初に、パネル返却を求めるように言った人だろうか。

それとも、パネルを返却するというシマ氏に対して「脳腫瘍云々～」と言った人だろうか（シマ氏はこの発言が決定的だった旨のことを述べている）。

しかし、元をたどればシマ氏が麻子の誕生会は今後やらない等のツイートをしなければ、そもそも騒動にはならなかったとも言えるし、誰にも相談せず一人でパネルの返却を決めてしまったことは多くのファンにもやもやした気持ちを残してしまっている（そのことについて、シマ氏はツイッタ―上で謝罪を表明している）。

前者二人に大問題があるのは、先に表明した私のスタンスから考えても自明である。特に後者は、関係者のみならず、当該疾患で苦しむ人のことを蔑ろにする発言でもあるので、弁明の余地はあるまい（上記のとおりこの発言が決定打となっていることもある）。

ただ、厳しい見方をすれば、シマ氏にもやはり多少なりとも問題はあっただろう。

様々な要因が重なり、精神的にも鬱憤を抱えていたらしい、という事情はあるにしても、相談なしでの返却はあまりに性急だし、返却するにしても、即日ではなく少し日を空けて、もう一度ファンが会えるようにする方が、わだかまりも少なく済んだであろう。（くどいようだが、シマ氏は独断専行でのパネル返却については謝罪を表明している）

もっとも、今まで閉店などでパネルを返却することになった店舗が全て事前告知していたかといえば、そういうわけでもない。このように考えてしまうのは、シマ氏がツイッタ―をかなり活用しているため、充分告知の余地があったじゃないか、という感覚があるからだろう。

それに、精神状態が落ち込んでいる中で、それでもファンのためにパネルを残してほしい、というのも酷な話かもしれない。

大洗ホテルが全体としてパネルを管理していれば話は別だが、どうやら実際はシマ氏がほぼ一人でガルパン周りのことをやっていたらしいのだ。

それならば事情は個人店舗と大きく変わらない。

一人でやれることには、やはり限界がある、ということに落ち着かせるのが妥当じゃないかしら。

わだかまりの行先

この一件、当事者間では謝罪が済んでおり、手打ちとなっている。

それじゃあ、この一件はもう解決、かと言われれば残念ながらそうではない。

個人間でいざこざがあっただけならまだしも、今回はパネルの返却及びコーナーの撤去という形で、一部のファンに実害が発生しているからだ。

先述のように、パネルは他の店舗に設置される可能性が高いし、麻子のパネルを見たいというだけなら、マリンタワーでも見ることは可能だ。

しかし、大洗ホテルにあるパネルやコーナーに愛着を持っていたファンからすれば、そこから無くなってしまうということに、戸惑いや寂しさを感じることは、全く不自然なことではない。

それでは、その気持ちをどこにぶつければよいか。

どこにもその先は無いのである。

関係者を責め立てたところで、パネルが戻ってくるわけでも、ガルパンコーナーが復活するわけでもない。

月並みな言い方だが、空しさが残るだけだろう。

それでも、と関係者に対して責め立てた人はいたようだが。

寂しさや戸惑いが一時的に怒りへ変貌して攻撃を加えたところで、何か得たものはあっただろうか。

本当に作品と大洗を愛しているファンなら、先述のように空しさが残っただけだろう。

正義を遂行してやったような気持ちになった人は、自分に酔いしれているだけだろう。

この一件で、一見すると礼儀正しい人が多いように言われているガルパンファンの中にも、確かに攻撃的な人や自分勝手な人がいることが分かってしまった。

ファンの間で分断が起こらないか、それが今回で最も強く感じている不安なのかもしれない。

個人的なこと

私は特別に麻子を推しているわけではなく、大洗ホテルに強い愛着を持っているわけでもない。残念ながら泊まったこともなく、パネルを見に行き、スタンプを押す、くらいしか関わりがなかったのだ。

それ故に、今回の騒動については、ある種冷静に見ることができている、と自分では思っている。

ただ、少しばかり、嫌な意味で心が揺さぶられたのが、先に書いた、昨年のあるキャラクターの誕生日に起きたちょっとした騒動のこと。

何を隠そう、そのお店に設置されているパネルは、私がガルパンでは一番推しているキャラクターだったのだから。

正直に言えば、誕生日に何もなく、何なら夜のみの営業故に日中はパネルを見ることができない、という状況に対して不満が無い、と言えば嘘になるのだ。

しかし、それはそれ。受容のスタンスで受け入れている、というか諦めているのだろう。

だが、一歩間違えれば、私がそのお店に攻撃的なことを言うようなことがあったかもしれない。そう考えると、今一度自分と大洗との在り方を見つめ直し、気持ちを引き締めなければと思うのである。

おわりに

ずいぶん長々と、いろいろなことを書いてしまった。

もう、ここまで読んでくれた人の中には、何を偉そうに書いてやがる、などとわざわざ感じた人はいないことと思う。

とにかく読んでいただいたことに感謝だ。

もし、私の考え方に反対したいこと、物申したいことがどうしてもあるようならば、その時は冷静に、落ち着いた文章で指摘してほしい。

元来、私は喧嘩をしたくてこれを書いているわけではないので、違った考え方があれば、そういう考えをする人もいるのだな、くらいの気持ちで読みたいと思う。滅多なことでは返信もしないだろうから、それを呑んでくれる人だけお願いしたい。

あまりに攻撃的な人だとブロックするかもしれない。その方がお互い幸せだろう。

いやはや、この数日間、この問題について考えていたせいか心が重かった。

このように文章に書き散らすことで、私の中ではこれでおしまいにしたいと思っている。

また変わらず、大洗の土を踏みに行きたいものだ。

 

了

5月30日追記　麻子さんパネルの処遇について　大洗町商工会発表

シマ氏と相談したというよりは、大洗ホテルの総支配人・支配人との相談があった（シマ氏の意向は伝えたうえで、だが）、とのことがシマ氏のツイートでも語られている。

今回は元の場所へ再び設置されるとのことだが、個人経営の店舗では同じようにいくとは限らない。

今回のような騒動が二度と起きないことを祈るばかりである。

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